HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

夏はどこでも祭りの季節(Ardón→Torres del Carrizal)

景色を遮るものが何もない平坦な道。夏らしい暑さだけど風が涼しい。

松林を見つけ、木陰で休むことにした。誰かが管理している土地だと思われるけど、こうして休んでも全然咎められない気がする。

いつも背負っているリュックとポシェットとカメラを降ろす。

何も持たないままゆっくり歩いた。ほんの数十メートルだけ。

この歩行に目的地はない。ただ気持ちよさが感じられるだけ。

 

誰かを喜ばせる、尊敬される、人の役に立つ、世に貢献する、事をなす、生き延びる。

気がついたら背負い込んでいることを正義と信じ鬼気迫る表情で過ごしていることはたくさんあった。

でも結局、それらは全部、自作自演の世界。

誰がそう決めたわけでもなく、自分でそう思っているだけ、自分が背負いたいから背負っているだけ。

すくみあがった両の肩が深呼吸と共に下がり、顔が天を向く。

魂に課せられたことは本来、何もない。まっさらな地平。

好きなものを好きなだけ持って歩くだけ。

自分が元々の立ち位置に戻るような心地がした。

・・・

カスティーリャの大地を行く。とにかくスムーズな走行。久々に100km近く走った。

道は本当に平坦で途中見える村はベトナムとかカンボジアの村のような砂砂しい感じがした。

夜になっても寝場所が決まらず村を彷徨い歩いていると真っ暗な道で犬に吠えられまくった。飼い主と思しき人に翻訳アプリを見せて尋ねると小さなパンを自分の口に放り込むようなジェスチャーで「何か食べるか?」と尋ねてくれた。ありがたい、彼は自分のお宅に案内してくれた。

ポテトにチョリソーにチーズ、そしてビールをご馳走になって大満足の大満足。疲れた体に沁みた。。

翻訳機を介したコミュニケーションで自己紹介を終えると彼は村のバーに連れ出してくれた。今日はちょうど年に一度、1週間かけて開催されるのお祭りの最中だそうだ。

バーでたくさんのお友達に囲まれ、かすかに知ってるスペイン語でぎりぎりのコミュニケーションを楽しみ

野外ステージを見ながらさらに飲む。村中に響き渡るモダンなビート音に身を任せる人々。自分も見よう見まねでステップを覚えようとするのだが独学じゃなかなか難しいなあ。

この日は深夜2時くらいまで楽しんで、寝場所は助けてくれた彼のお宅のガレージにテントを張らせていただいた。ラファさんという、素朴な優しさが印象的な男らしい人だった。ありがとうございました!