HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

ラ・カンシオン(Latores→Pajares)

1日のうちほとんど雨。カメラは首から下げたままビニール袋で包んでレインコートを上から着る。本当は景色が良ければ都度止まってカメラを取り出して撮った方が良いのかもしれないけど、ここまでガードしているととてもめんどくさい。雨から徹底的に守って少しでも長く使うためだ、と言い訳して、ほとんど道中は写真を撮らなかった。

頭の中が気持ち悪い。富士山を登った時にちょっと発症した高山病みたいな感じがする。ここは富士山よりずっと低い1000mにも満たないポイントだけど、そのせいだろうか。雨も降っているし、ゆっくり休めるところもないので歩きを多めにして進んだ。

後半からもうずっと登山になった。ここはカンタブリカ山脈というそうだ。何台もの車に追い越されながら自分はただただ自転車を押していく。

暗くなってきてゆっくり泊まれるところを探すけれど山岳地帯の家にはたいていゆったりとした広さの庭はない。5人くらいお尋ねしたけれどだめ。

九時半を回ったくらい。日が沈みきってほとんど暗くなる。

このくらいの時間まで彷徨い歩いたら焦ってたのが旅を始めた頃の自分だった。今は仮に助けてくれる人と出会えなくても落ち着いて空き地を見つけて野宿するイメージトレーニングをしている。2年間、ほぼ毎日助けてくれる人と出会ってきて、今はこれから先の更なる過酷な旅に備えて、助けがなくても元気に過ごすための心の準備をしている。

・・・

村に到着して、一軒のお宅へ。中から出てきた女性はフランクな雰囲気の人ですぐにお庭でのキャンプを許してくれた。助かったー!

お庭のテラス席に招いていただいて、晩御飯もご馳走していただいた。疲れた身体に沁みた。。このポテトのトルティーヤ(スペインのオムレツ)がほんのりガーリックが効いててたまらない!チーズとハムとチョリソーはスペインの標準装備です。タコも美味しかった!

家の中から優雅で楽しそうな合唱が聞こえてくる。

この日、この家にはご家族や村の友人が集まってディナーだったようで、自分も招き入れていただいた。次から次へとみんな知っている歌を歌ってお酒を飲んで楽しんでいる風景がとても素晴らしかった。

「東京の歌を歌いなさいよ」と言われて「東京音頭」を披露した。自分でもびっくりするくらい瞬時に思いついた。中学生くらいの時に神宮球場プロ野球のヤクルトvs巨人の試合を見に行った時、ヤクルトが得点した時に流れるのを聴いて、それから全然歌ったこともないけど印象に残り、たまに脳内再生したことがある程度だった。

古風な日本の歌って力を込めやすくて良いなあ。コミカルな表現がしやすくて結構笑ってもらった。何気ない記憶がすごく役に立った。笑

歌。良いなあ。日本じゃ友達と集まってもこんな風に歌って楽しんだりしていなかった。自分はいつも暗いことばかり考えて歌わなさすぎ、踊らなさすぎだと反省した。

動画も撮らせていただきました。今いるアストゥリアス州の歌だそうです。帰り際も歌ってお別れ。サッカー観戦の後のようなお祭り感もありつつ穏やかで自分には心地良かったです。