HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

「地」(Reconco→Latores)

サンティアゴ・デ・コンポステーラをスペインに入ってからここまでの目標地点にしてきたけど、進路変更してポルトガルの友人宅に向かうことにした。サンティアゴ・デ・コンポステーラとそこに至るまでの巡礼路はもう観光地として定着しすぎている感があって興味が薄れた。今はそれ以上に発信関連の立て直しをしたい。予定ではあと10日間ほどで友人宅に到着し1週間ほど滞在させていただき、そこでゆっくり作業をしたいと思う。

進み先を西から南に変え始めた。

依然調子はそんなによろしくない。30%くらいというところか。

楽しんでいるかと楽しんではいない。ただ疲れるし、景色なんて楽しめないし、すれ違う人に挨拶する気にもならないし、将来色々うまく行かない気がして心配になるし、昔の嫌な思い出を反芻したりする。

「ぼくは旅してます」なんて言うと人からは「自由でいつも楽しく生きてる人だ」なんて思われるのだろうか。少なくとも自分はそうじゃない。全く楽しめず笑えない日だって少なからずある。それでもどうやって満足できるようにするかを地道に探る。

地道。地味。「地」のついた言葉が似合うと思う。そういうのが好きなのかもしれないし、ただ今そういう時であるというだけなのかもしれない。

「お前は旅さえしてればあとはなんでも良いよ」と生前の友人に言われたことが心の支えになっている。自分は人生やることなすことなんでも質や評価を求めすぎて苦しくなってしまうようなところがある。そこに彼の「人生なんてただ楽しんでりゃ良いじゃ〜ん」という対極のノリは自分の精神コントロールに役立っている。迷って悩んで消耗することもたくさんあるけど、最後はただ旅をする。それだけを考えろ。

Oviedoという都市を通り過ぎるあたりで雷鳴が響いた。降る前に泊まれる場所を見つけたい。

街を抜けた村のあたりで本格的に雨が降る。

5件くらい訪ねたけど良い結果は出ない。

暗くなって「よし、野宿しよう」と思ったところで、訪ねた人の一人が車で僕を探しにきてくれた。雨の中一人歩く僕のことを心配してくれたという。

その人の家に泊まらせていただけることになった。大学で心理学の教授をしている人で、この田舎の両親の家にお留守番をしているという。シャワーにベッド、洗濯もしていただき、無事に厳しい天候の夜を安全な環境で過ごさせてもらった。

家まで向かう途中、車で全ての荷物を運んでもらった。