夜中の2時ごろ。ピザ屋の裏手には耳をつんぐさくような警報音が鳴り響いた。甲高く、重い音。耳の中が切られてしまいそうな音だ。
こんな場所で寝泊まりするぼくに反応しているのだろうか。止め方はもちろん分からない。誰か人が来るのかと思ったら誰も来ない。警報音は鳴り響き続ける。警察が来て事情聴取になっても良い。とにかくうるさすぎるから誰か、この音を止めに来てくれ。
昨日は「柔軟性」とか抜かして自画自賛していたけど、こんな事態にまで柔軟になれない。テントを締め切って耳を思い切りふさいだら思ったよりも音が遮断されたのでその姿勢で耐えた。30分以上はその状態が続いて自然に止まった。警察どころか近所の人も通行人も誰一人として来なかった。まったく、あれはなんだったのだろうか。
そんな夜だったので起き上がってからの体調は悪い。だるい。進行はゆっくりだった。
この日は小さめの町で10人くらいに聴き込みを続け、最終的に一度は別れたけれど改めて探しに来てくれたご夫妻のお宅のお庭にテントを張らせていただけることになった。カレーとケーキとコーヒーもご馳走になり、とてもとてもありがたったです。
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あまり眠れなかったピザ屋の裏を出発。店の開店は午後遅いので挨拶はできなかった。
あまり撮るものもなく過ぎ去っていく道中。
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