友達の結婚式の写真を撮ってほしいと頼まれた。日時は元旦。2022年1月1日。その友達は普段ドイツに住んでいて、この日にここ、マグライに帰ってくるという。面白そうな機会だと思って引き受けることにした。
今からだと1ヶ月後、その間はこの国に留まって宙ぶらりん状態になる。急ぎすぎてもシェンゲン圏に入るのは1月10日以降だしそれでも良いかと思った。何か準備をするようで、12月24日に戻って欲しいと言われたのでその日にまたここに戻る。
ひとまずは3日間、ほぼ3食分のご馳走と寝るための部屋をシェアしていただいてありがたかった🙏
出発前にたくさんお餞別のブレクを詰め込んでもらった。ずっしり、1kg近くある。ありがとう!
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テシャニという街に向かった。道中がちょっとした山になっていた。標高が高かったから雪が積もっていた。綺麗な雪景色は綺麗だけど寒いな。歩いているから体はあたたまっているけど、これからもっと過酷な寒さを迎えることを覚悟した。途中声をかけた村人のおじさんからジェスチャーで「寒いだろう」と言われたりした。
川の音が聞こえる
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道端で声をかけられて、製鉄の仕事をしている人たちとちょっと話したりした。自分の自己紹介をした程度の話だったけれど、食べ物やコーヒーをいただいて少しの間楽しい時間を一緒に過ごした。ありがたかった。
テシャニに夜についた。街中で野宿できる場所を探した。警察官は中央の公園でキャンプしても問題ないと言っていたけれど、ちょっと人通りが多すぎるので別の場所を探した。カフェを見つけて、店長に尋ねると店の裏手の敷地でキャンプしても良いということだった。
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カフェで作業していると、笑顔のおじさんが肩を叩いてきた。趣味で自転車を楽しんでいるボシュニャク人だそうで、一緒に写真を撮ろうと誘ってくれた。ぼくは自転車についてはまるで詳しくないけれど、自転車で旅をしている人間が目の前に居るということがその人にとって何か嬉しさになったようで自分も嬉しくなった。おじさんは先に帰ったけれど、その後Facebookメッセージで「何か困ったことがあったら言ってね」と言ってくれたので、「シャワーを借りたい」と伝えた。すると「今晩泊まって良いよ」と言ってくれた。とてもとてもありがたい。
実はここに到着する直前に自転車の後輪がパンクして、3年間ほどずっと使っていた小型ポンプも壊れてしまったのでそのことも相談すると彼の持っている携帯ポンプをくれた。そして昨年落としてしまって困っていた防寒手袋も差し出してくれた。他にも防寒着をもらってこれからの季節を乗り切るために安心の装備がかなり整った。
この国でも人が本当に親切であたたかさを感じる。
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声をかけてきたサイクリストのエサッドさん
近くの席で飲んでいた青年たち。ビールを飲んで、くだらない話を楽しんだ。
エサッドさんの家では長女さんのお部屋をお借りさせていただくことに、薪ストーブも焚いていてくれた。
梅のシロップジュース
エサッドさんの奥さんがとても明るい笑顔でぼくを迎えてくれた。
じゃがいもとソーセージの肉とヨーグルトを用意してくれた。「突然だったもので大したものが用意できなくてごめんね」と言われたけれど、いやいや全然、私の方がすみません。
子供は二人いて英語の話せる14歳のお姉ちゃんが通訳になってくれた。テコンドーを習っているそうだ。息子さんはゲームに集中していて、自分の少年時代を思い出した。
彼らは一家揃ってドイツへの移住を予定していた。家の至る所にドイツ語の練習の形跡があった。