ブルガスまでの約70kmを移動した。
マルコ・タルノヴォの公園ではゆっくり眠ることができた。警察が一度パスポートの確認にきただけで、あとは静かな夜だった。
雪がはらはらと降ってくる。
公園で荷物の整理をしていると自転車旅人が3人通りがかってきた。フランスから旅をしている22〜18歳くらいの三兄妹。たくさん現地の人のお世話になりながら楽しく旅をしているそうだ。
ドイツ、フランス、ベルギー、ほんとにヨーロッパは自転車旅が盛んだなぁと思う。他国が陸続きになっている土地柄だろうか。
これからトルコに入国するそうだ。彼らも間違いなくたくさんの現地の人々といい思い出をつくるだろうから、特になにも助言などしなかった。あの国での自転車旅ならなんの心配もない。
公園の近所のホテルの人に水をまたお願いしたら新品をいただいた。
こちらがホテルのおじさん。合気道を習ったこともあるそうだ。昨晩のうちに警察にぼくらの睡眠の邪魔をしないように言っておいてくれたらしい、だからパスポートの確認程度で済んだのかな。ありがとうございます😊
出発。
もう景色のひとつひとつがブルガリアになったなぁーと感じる。
ブルガスに入る。
ブルガスの市街地に入る。
さあ、泊まる場所をなんとかしよう。レオがカウチサーフィンやウォームシャワーでコンタクトを取ってくれていた人達はみんな空振り。この地で泊まる場所を探すことに。
トルコでたくさんの優しい人と会ってきたおかげでなんだか心に余裕がある感じがする。100人に尋ねてダメでも必ず1人がいる。そんな希望が心の根底にある。
街のセンターを歩いている時だった。何気なくひとりの男性と目が合った。目を逸らさずに挨拶しようとしたら微笑みかけてきてあちらから「ヘイ、元気?」と声をかけてきた。
これはいける!と即座に我々の寝場所の相談をすると「ぼくの場所でもよければ」とOKしてくれた!!ありがとーーーーう!!ブルガリアでも協力してくれる人がいたー!!
案内してくれたのは階段を降りて地下一階にある彼の音楽スタジオだった。
ガリンという名前だった。すごく懐の深い雰囲気が印象的な人だった。
スタジオレフレックスという名前
この日はスタジオのあるフロアの使われていないテナント部屋で眠らせてもらうことになった。
マットレスも使わせてもらった。電源とWi-Fiはある。何より現地の友達の許可まで得ている。冬のブルガリアの野宿と比べればパラダイスのようなものである。そしてやっぱり、この状況全体がもう面白くて仕方がない😆
この日はちょうど彼の友達のアーティストが集まって録音したり飲んだりして盛り上がる日だった。続々と現れるガリンの友達。
集まったみんなと。
大半の人が英語を話せることと、何人か日本語を知っていたことにちょっと驚いた。
彼らを見ながら自分の子供のころのことを思い出していた。自分には子供の頃から音楽のへ感心がなかった。今目の前にいるこういう人たちはきっと物心ついた頃から自然と音楽と親しんでいて、曲の振動に触れるだけで「これ、あがるわ〜」みたいなことができるんだけど、自分にはさっぱり。改めて自分の位置を確認することができた。なんにせよかっこいいなあ。
晩御飯を調理していたらみんなから「なんだそれ?」と突っ込まれた。現地の食材を組み合わせているからちょっとはブルガリア料理の何かに似ていると言われたかったけれどそんなことはなかった。笑
この日のぼくはかなり眠かった。音楽談義でみんなと語らい続けるレオの笑い声を聴きながら眠りに落ちた。