レッジョ・エミリア県はイタリア国内でも積極的に実験的な取り組みをする自治体なんだそうです。特にここが発祥の幼児教育手法「レッジョ・アプローチ」はとても有名なので興味がある方は「レッジョ・エミリア」とか「レッジョ・アプローチ」とかでググってみると良いと思います。
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現在ステイさせてくれているマルコは教育学部の大学生時代にこのレッジョ・エミリアの存在を知って、最初にここを訪れた時、ここでの取り組みは理想の教育を体現したかのような場所だと感動したそうです。
せっかく本場に来たのだから『レッジョ・アプローチ』について知りたい、というぼくの思いをマルコは汲んでくれて、この日はレミダに連れてきてくれた。レミダというのは廃材を集めた倉庫のこと。
レッジョ・アプローチではアートをツールとして用いる学習の時間が多く、色々な材料を使ってのワークショップの時間がたくさんあり、このレミダに置かれている廃材はその時に使う材料になるそうです。ちなみに「レミダ(Remida)」という名前はゴミを宝物に変えてしまうミダ王(Re Mida)の逸話が由来だそうです。
レッジョ・エミリアはイタリアでも随一の生産量を誇る県だそうで(代表的な企業は「MaxMara」)、ここに集まってくる廃材は全て県内にある企業から寄贈されるそうです。
この廃材は県内の教育機関の職員や教員、アトリエリスタ(芸術指導員といったところかな)が無料で好きに持っていくことができる。自分が見学している間も先生やアトリエリスタらしき人がスーパーマーケットで夕飯の材料を買い揃えるみたいに材料を取りに来ていた。
たくさんの素材に触れるチャンスがあることはもちろん良い学びの機会になるだろうし、物を通じてこの県の産業を感覚的に学ぶ良い機会になるし、街にとってもリサイクルになる。こういう施設を自治体で運営しているってのは面白いと思います。
見学してみて思ったのはディスプレイの美しさ。廃材置き場なんだけど、遊び心やアート性をくすぐられるような雰囲気が漂っていました。このレミダでもアトリエリスタのディレクションの下、配置が工夫されているそうです。
常駐しているスタッフがとても良い雰囲気の人たちでした。ここのスタッフであるということはシンプルにみんな子供たちが好き。集まってくる先生と談笑している姿を眺めて、良いコミュニティがこのレミダで生まれていることを想像させてもらった。
展示会場のようなスペースもありました。
帰り際、職員さんがマルコの息子ザックに向けて音の鳴るおもちゃをプレゼント
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夜はマルコがピザを手作りしてくれました!ありがとう😊