昨晩倉庫にテントを貼らせていただいたお店で、挨拶しに行くとコーヒーとクロワッサンをお出しいただいた。お店はこのようにとてもファンシー。イタリアに入ったことを改めて実感した。
朝ごはんをいただいた😊
わー、イタリアで飲む初めてのエスプレッソー!イタリアで「コーヒー飲む」といえばもうこれ。
お店の席にも座らせていただいた。グリーンパスが厳しいイタリアだけど、人によってはこうして柔軟に対応してくれることもある。ありがたい。
お店の常連と思しき人がすごくフレンドリーで、自分が珍しい人間だと知ると何やらオリジナルのブレンドをしたエスプレッソと白ワインをご馳走してくださった。
エスプレッソとアイルランドのミルキーなウイスキーとの合わせ技。これは「カッフェ・コレット(Caffè corretto)」と呼ばれるもので、エスプレッソにアルコール系の飲み物を混ぜるもの全般を指す。混ぜるお酒の種類は人によって色々あるらしい。
レモン入りの白ワインもご馳走いただいた。
旅の話をして、軽やかに歓迎していただいた😊
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この度、寝場所をシェアしてくれたり、食べ物やコーヒーを差し入れてくれて色々融通を利かせて助けてくれたのはフランチェスカさんという女性。出発前にもサンドイッチを持たせてくれた😊
他の従業員の皆さんも英語では話せないけれど興味を持ってくれたのか、インスタグラムをフォローしてくれた。大変お世話になりました😊
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ここから先は基本モロッコに向かうためにフランス方面へ進んでいく。そしてまずはその道中からさほど離れていないヴェネツィアに行ってみることにした。
町を通り過ぎ、お墓をちょっと見て、大規模な畑を見ながら走った。
途中、川の近くでガスバーナーを落としてしまい、すごく頑張って救出した。
フランチェスカさんからいただいたクッキー。イタリアからスイーツがしっかりした味になってきたなあと感じる。
のどかな風景がずっと続く。
イタリアといえばもう、どこそこの町のだったり大聖堂だったり建造物だったりレストランだったり色々ファンシーなイメージがあるんだろうけど、それらよりもずーっと広い面積でこうした景色が広がっていて、そこがそのファンシーを支えているんだなあと、走っても走ってもあまり変わり映えしない景色を見ながら実感していた。
作業をしようと一軒、道路沿いに発見したバーに立ち寄った。
ここのバーの人に寝る場所を尋ねたら「農場のどこかしらにテントを張っても大丈夫だよ」となかなか軽い感じだった。
Wi-Fiと電源をお願いしたらエスプレッソまでおまけしていただいてとてもありがたかった。グリーンパス社会のヨーロッパだけれど、今日もまたこうして助けていただけた。よかった。ひと安心。
やー、まーしかし、景色がこう、イタリアだなあ〜、普通のバーの中でもいちいち気になってしまう。
この、仕事帰りとかにワインを飲んで新聞読んでる感じ、ああ〜こういう感じかイタリアは。ここまでの国でのバーでは見られなかった雰囲気だ。
おじさんが話しかけてきた。
服装がなんかエレガントで香水の香りがして「イタリアっぽい」と感じる。
一緒に写真をお願いしたらめっちゃノリノリで何かの劇が始まり、結局見せたかった彼の服が写らなかった。笑
「イタリアから日本へのお土産」にと、彼の農場のブランドであるという白ワインをいただいた😊
後日飲んだら美味しかったけれど、日本でよく飲んでいたような白ワインとの違いを説明できるほどの違いはなか分からなかった。ワインソムリエってすげえな。
バーが閉まり、20時近かったけれど、一応、もっと安全に眠れる場所はないかと他の人にも尋ねるため、地図で発見した近くのバーへと向かった。
小さな町の中にバーがあった。
テーブルに座っていた青年たちが英語で相手をしてくれた。そして何箇所か地図上でテントが張れそうな場所を紹介してくれた。
自然と旅の話になって、流れで「何か飲んでいく?」とオファーしてくれた。彼が持っていた赤ビールが美味しそうだったのでいただくことに。
や、これはめちゃくちゃ、美味しい!!エールビールのような、すごく好きな味だ!!
さらには「何か食べていく?」という話になり、ピザをいただくことにした。イタリア語のメニュー表を眺めても名前と実物がうーっすらとしか一致しない僕に彼らは丁寧に「これはチーズとトマトの。。」という具合に説明をしてくれる。イタリアメンズのジェントルマン感をすごく感じた。
こういう時、バルカンの国に滞在している時はメニューも何もないまま、知っている知識の中で答えねばならず、一度答えたら「ハイ決まり」という感じだった。それはそれでまあ物事の進みの速い心地よさがある。
が、イタリアは違う。彼らは一度決まりそうになっても「こっちはどう?」とすごく丁寧に説明をしてくれる。
長い協議を経て、RGBというピザに決めた。
こちらがRGB、生ハムが渋い美味しさ!
生地もチーズもルッコラも、日本のイタリアレストランと劇的な違い、とまではいかないのだけれど、やっぱりイタリアで食べるというだけで特別な美味しさを感じてしまう。イタリアのピザデビューを飾りました。
ちなみにここで「やっぱりピザといえば南の方(ナポリとか)が最高なんすか?」と尋ねると「まあ好みの問題だよね。北の方は生地がパリパリしている。南の方はもちもちしている」との回答をいただいた。なるほどなあ〜。
自分の中でものすごくポイントが高かったのがこちら。
全テーブルに置かれているオリーブオイルとバルサミコ酢。これらはパンにかけるだけでめちゃくちゃ美味しく食べられる「調味料ツートップ」だ。旅の中で見つけた頼もしい相棒たち。
それがフリーでいただける!イタリアではパンを注文するだけで解決ではないか!
ピザの耳の部分にこの二つをふんだんにつけて食べた。幸せだ。。。
「美味い!美味い!」とピザを食べていたらまた別の、これまたイタリアの香りのするおじさんと仲良くなった。奥さんともご一緒だった。
ダニエレさん、レオノーラさんという名前だった。
いやあ〜こんなコミュニケーション、これまでほっとんどなかったぞ。イタリア楽しいぞ😊
「なんか飲むか」という話になって「じゃあビールを。。」と言いかけると「ノーノーノー!ワインだワイン!」と強制的に赤ワインになった。イタリアはやっぱりワインなんだなあ〜!こっちも大好物です😊
同席したみんなと一緒に😊
ダニエレさんから「君はどこに泊まるんだ?」と尋ねられて、「テントを張ります」と答えると「こんな寒い中ではだめだ」と心配してくれて、ご自宅に招待してくれた。わあ〜!嬉しい〜!!よかった〜!!!
最初に助けてくれた青年たちとも一緒に。おかげさまですごく楽しい夜になりました😊
すぐにテントを張らず足を運んでみてよかったなあ。
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ダニエレさんのお宅はバーから10kmほど離れていたのでそこまでは自力で走っていくことに。そこでまたちょっとした良い人と出会った。
道路は霧がすごく濃い。そこに後ろから追いついてきた車の人が「こんなに霧が濃い中走ってたら危ないよー!」と目的地を聴かれ、そこに着くまでの間、僕のすぐ後ろをゆっくり走ってくれた。宿泊場所の心配もしてくれた。
彼も名前もまたダニエレさんだった。サイクリストだから自転車の大変さが分かるそうだ。イタリアではこれまでよりももっと自転車を通して縁が生まれそうだなあ。
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街の中でダニエレさんとレオノーラさんと合流して彼らの家に。
家の中には何かの絵画が色々飾られていて、芸術好きなイタリアっぽさを感じた。
シャワーを貸してもらい、フカフカのソファーで横にならせてもらった。
お茶を飲みながら彼らと話して「ぼくらはいつもあのバーに行ってるわけじゃないけれど、たまたま行ったら君と出会った。これはDestino(運命)だね、面白い」と言っていたのが印象に残っている。
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一日通してイタリア人の笑顔をたくさん拝ませてもらった。おしゃれで、香水の香りがして、柔らかな優しさがある。女性もすごく社交的な人たちが多いように感じる。あちらから微笑みかけてくれるような感じ。そしてみんな楽しむ心を持っている。なんかそのままダンスとか歌とか始まりそうな。
自分の知っている色々な日本の友人はイタリア人のそういう部分に憧れを抱いていた。世間知らずな自分はそういう話を聴いて「ふーん、でもまあただのイメージじゃねーのーん?」と半信半疑だったけれど、今日は色々なイタリア人の姿を見て「ほんとだあああああーーーー!ほんとにイタリアだあああーーーー!!!」と頭を一つかち割られた。そんな体験だった。