HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

ベルを鳴らす(ボヒニBohini→ズノイレZnojile)

昨日寝たバーからの景色はやっぱりすごかった〜!アルプス!

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また朝にはコーヒーとお茶をいただき、感謝😊

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ボルトさんとスザーナさん。もう手詰まりか、という絶望的な状況を救っていただきました。お世話になりました😊

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ボヒニは遠景に見える山がすごい。

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スロベニアで見る宗教画は優しいタッチのものが多い気がする。

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一番奥にあるボヒニ湖に到着。湖そのものは素朴な見た目だけど自然の中にある感じが良かったと思う。

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湖へと流れ込む川も良い色

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雪の結晶が棘のようになっていた。

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結局湖の周りを半周して、それ以上は自転車が進めなさそうな道になっていたので引き返した。

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冬だったから寒くてゆっくりするどころじゃなかったけれど景色はとても気持ちよかった。夏はきっとたくさんの観光客で賑わっているのだと思う。

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ボヒニ湖を眺めた後はさらにそこからイタリアの方向に向けて出発。マップを見る限り、ここからイタリアまでは山を登って降ってを繰り返す、なかなか険しい道のようだった。

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12%勾配なんて初体験です。。

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タフな上り坂を押して押して押して押して押して押しまくって行った。

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どんどん遠くなっていくボヒニの町。

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押しても押しても上り坂が続く。20mくらい進んで止まって深呼吸してを繰り返した。どんどん日が暮れていく。

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真っ暗になる。月は明るいけれど木々に明かりを塞がれて、暗い。この辺りで上り坂が終わる。3時間登り続けた。持久力には自信ありだったけれどかなりヘトヘトだった。

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また頼りになるバーが現れないかと歩み続けるけれど、現れない。

一軒、通りがかったペンションでキャンプをお願いしようとしたら有料(5ユーロ+ツーリスト税)だった。

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いや、それならどこかで空き地でも見つけてテントを張る方がはるかに良い。また真っ暗闇の中を進んでいくことに。

今度はものすごい下り坂。ブレーキパッドがどんどんすり減っていってブレーキが効かなくなってくる。一旦自転車を停めてパッドの位置を調整する。寒い。プリモジュさんからもらっていた新品のダウンジャケットがあって助かった。

何箇所か集落を通り過ぎた。

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自分が助けを求める際にバーやレストランにこだわるのは、そこは社交の場であり、みんな他人と関わる準備ができているからだ。

民家のベルはできるだけ鳴らしたくない。他人と関わる準備ができていないかもしれないからだ。そこにこんな怪しい人間が現れたら怖いかもしれない。

それに、なんというか、断りたいのに断れない雰囲気にしてしまうのが嫌だった。こんな寒い中に一人で放り出すのは危険だから困るけれどなんとかしてあげる、という感じになるのが嫌だった。

自分が助けてもらうのは、あくまで前向きな気持ちで関われる人とだけが良い。

でも、この日は歩けど歩けど営業中の飲食店が見つからない。

21:30ごろだった。

長い登り坂の疲れと低温で体力的にかなり参っていた。

もう、拘ってはいられない。

一軒、明かりのついている民家を見つけた。窓から壮年の男性の顔が見える。大丈夫だろうか、いろいろ思いを巡らせる。けれどももう、やるしかない。

ベルを鳴らした。男性が出てきた。

危険人物だと思われぬようにひたすらぺこぺこしながら翻訳アプリを見せた。

すると、すぐに、すんなりと「うちのガレージで良いなら」と返事してくれた。

わああああ〜〜〜!

いやああああ〜〜〜!

ありがとうございます本当にありがとうございます!

「いや、寒いと思うけれど本当に大丈夫?ごめんねこんなところで」

いやいやいやいや最高です!

「とりあえず中に入って、お腹空いてる?」

お出しいただいたの肉とチーズとパン。

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そして、ほ、ほ、ほ、ホットワインーーー!!!!!!

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泣ける。

奥様と、三人のお子様たちと息子さんのガールフレンドもこの珍客の様子を見にきた。

「まだ食べる?」とお出しいただいたのはラム肉ハンバーグとポテト。

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ポテトの身の詰まり具合が尋常じゃない気がして「すごいですねー」と言っていたら彼らの農法を見せてもらった。

こんな風にジャガイモを植えたところに羊の毛皮を敷き詰めるんだそうだ。彼らのオリジナルの方法で、これによってどんな効果があるのかは詳しくわからなかったけれど、感心した。

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デザートにクレムシュニッタ(Kremšnita)もいただいた😂

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もう、状況が状況だっただけに泣けるくらいのおもてなしだった。

旦那さんのアレシュさんは電車の運転手、と奥さんのヘレナさんは小学校の教員をしている。とても柔らかい雰囲気で二人とも自分のここまでの旅の話を笑顔で聴いてくれた。ここは天国ですか。

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野外でもキャンプできるくらいの装備なので室内になったらもう暖房器具なんかなくても十分すぎるくらい快適だった。わざわざ車を外に出していただき、テントを張らせていただいた。

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そしてなんと「ガレージに置いてあるワイン飲みたかったら飲んでねー」とアレシュさん。「えー!そんな!」と、言いながらも寝る前にいただいた。

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どうなることかと思った夜だったけれど、今回は思い切ってベルを鳴らして良かったと思う。自分はまだまだ人と関わりに行くことを恐れすぎているのかもしれない。日本人っぽい感覚だなと思う。バルカン半島で見た人たちはみんな用があれば遠慮なく人に声を掛けちゃうような人たちだったように感じる。ああいうイメージで人と関わりに行って良いのだろうなとうっすら感じた。