HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

「あなたの目的はなんですか?」

ふとしたきっかけで言っちゃった自分の一言が、自分に大きな力をくれることがある。今回はそんな体験のお話。旅の間のちょっとした出来事から。

〜〜〜〜〜

カンボジアのとあるカフェに籠もって旅の記録の発信作業をしていた。開店の朝10時からコーヒー一杯だけを頼んでひたすらパソコンに向かい続け、お茶のサービスをもらい、夜の19時くらいになったころ。

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ふらりと従業員の若者が声をかけてきた。ニコニコしてフランクな感じだったので多分休憩中か、自分のシフトが終わったか。英語が話せる。

このあたりの大学に通う学生だそうだ。お互いにたどたどしい英語で、何度も言葉を聞き返しながらゆっくり互いの自己紹介をした。彼はとても親切で、ぼくの事情を聴くと「困ったら家に泊まっても良いよ」とにこやかに伝えてくれた。

結局その時は他に泊まる場所があったので、その時は一緒に写真を撮って別れ、それ以降再び直接会うことはなく、その後は繋がったフェイスブックメッセンジャーで直接やりとりをするようになった。

で、

このフェイスブックメッセンジャーでのやりとりから

個人的にとても良い体験をもらうことができた。

 

彼との出会いから1週間ほど後、

また別のカフェで発信のための作業をしていた時

ふと、彼からこんな質問が飛び込んできた。

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「どうして世界を旅することを決意したのか教えてくれますか?」

「あなたの目的はなんですか?」

おお。難しい。

彼のキャラクター的にただ、興味があって尋ねてきたんだろうなあと思った。

直接話していたらこの絵文字のとおり

にこやかな表情で尋ねてきていだろうなあ。

目的か。う〜〜〜ん。

目的。

目的かあ。

目的って邪魔だなあと思って持たないでいたこともあったなあ。

ただ、旅がしたい。

そう宣言していた時もあった。

それはそうなんだよ本当に。

けれど、もうちょっと違う言い方があるような気もする最近。

自己紹介の記事にいろいろなことを書いたりもした。

それも本当のことといえば本当のことのつもりだけど

これは長ったらしくなりすぎて大事な部分が霞んじゃったような気もする。

目の前の彼はきっと大層な答えなど求めてもいない。

けれどもこの質問が自分にとって大事な部分に触れてしまったようだ。

作業の手が止まり考える時間は長引いていく。

そういえば出会った現地の人からそんなことをまっすぐ尋ねられたのは初めてだ。

 

例えば"Horiday?(休暇ですか?)"とか"Job?(お仕事ですか)"とか、

そういうレベルでなら適当に一言、その時の気分で休暇か仕事かで答える。

そのレベルでの答えがあれば満足する相手だった。

自分の旅の在り方を拙い外国語で正確に説明するのは相当きつい。

 

けれど、今回の聴かれ方はもっと核心の部分を語れる質問だ。

この若者になんと答えよう。

これまで自問自答してきたことがいろいろと浮かぶ。

初めはこの「旅をする意義」のようなことを話そうとした。

けれどもそのことを考えてなんか怖い顔になっている自分がいる気がしてすぐにやめた。そういうことじゃないだろう。

楽しい、嬉しい、気持ちいい。

そんな時間を過ごしていたい。それが人生でいい。

もっといい顔になれるようなことを伝えよう。

これまでの旅で、本当に嬉しかったことは?

シンプルに。

拙い言葉でいい。

ただ、嬉しかったことを。

そして、こうメッセージを送った。

「なぜなら、旅をしていると君のような優しくて素敵な良い人たちに出会えるからだよ。そういう人たちと話すこと、写真を一緒に撮ること、彼らの文化を感じること、言葉を学ぶことを楽しんでる。それが幸せなんだ。」

 

え〜と、だから目的は。。。

 

持っている語彙が少ない分、少ない解像度で並ぶ自分の思い。

けれどそれゆえにシンプルで、むしろ良い気がする。

思考もシンプルになって。

難しいこと、時間をかけて考えてきたこと

いろいろとどうでもよくなってきた。

 

え〜と、、、、、

 

あ、そうだ!

 

要するにこういうことか!

 

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「世界中にたくさん友達を作ることが目的だよ」

 

「うけるね」マークをつけられた。笑 

 

異国の言葉でしか伝えられない相手に

端的に伝えるために

言葉を削ぎ落として、削ぎ落として

もっとも低い解像度にしたつもりの言葉。

けれど、だんだん、その言葉が

自分の旗に掲げて誰の前に見せても良いくらい

自分にとっての本質的な言葉に思えてきて

ふつふつと力が湧いてきた。

変わり続ける自分の魂胆に

拙い言葉でなんと説明を付しても100%の答えは出せないだろう。

けれどもこの力が湧いてくる感覚。

それが嬉しくてひとりパソコンの前でニヤニヤしていた。

 

自己紹介の記事のラストの方でアルゼンチンのウシュアイアで出会った

日本人のおじいさんとのやりとり。

〜〜〜〜〜

食いたいものを食う!

飲みたいものを飲む!

やりたいことをやる!

これが人生!!

お前は何をするんだ

考える時間もなく咄嗟に答えた

「世界中を回ってその様子を伝えます!」 

〜〜〜〜〜

その言葉も、随分ありきたりな言葉だけれど

今から思えば、自分にとって大切な指針になった。

何かの答えが出る時ってこういう

カンボジアの彼からの問いや

ウシュアイアのおじいさんからの問いのように

ある時突然、ふっと向こうからやってくるような気がする。

 

 

世界中にたくさん友達を作る

なんてありふれた子どもっぽい目的だろう。小学生だろうか。笑

でも、自分が旅をしてきて一番嬉しかったことは、

もう間違いなくそれなんだよな。

自分にとって旅といえば

出会ってきた名もなき素敵な人々の顔だ。

旅のお話会でも

一番話すことは出会った人との出来事だし

「一番生き生きしてるね」とオーディエンスから指摘されるのもその部分。

そしてもちろんこれからも、

見知らぬ場に足を運ぶ原動力は、

まだ見ぬ友達との出会いへの希望だ。

まだ行ったことのない場所に、

どんな素敵な人が待っているかわからない。

逢いに行こう。一緒に写真を撮ろう。一緒に笑おう。

ぼくは、世界中にたくさんの友達を作りたい!

ありきたりで子どもっぽい目的をエネルギーに、旅は続きます😆😆😆

 

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菜の花の季節。良い香り^^