21kmの前進。横長のガンビアを横断するつもりで国道を内陸に向かう。道程の半分以上は手押しで歩いて進んだ。当面は目的地を特に定めずに歩くことと生き延びることに集中してみることにする。
ガンビアはメインの国道ですら充分な広さはなく、車が自転車を追い越す時はスレスレの距離になる。事故も少なくない。車に撥ねられて前足があらぬ方向に曲がって倒れ込んだ牛一瞬だけジタバタするがすぐに力尽きていた。また車に撥ねられ息絶えた犬は5、6匹のハゲタカに内臓を啄まれていた。きっと人間の交通事故も当たり前に発生してることだと思う。
その狭い道路に新しく側道を整備する工事が行われていた。その作業にあたっていると思われる五人くらいの男が皿を囲んで昼食を食べていた。昼食といってもこっちでは午後3時くらいになるのは当た前で、この時は午後5時を回っていた。彼らの一人がぼくを見つけるなり手招きして参加させてくれた。セネガルの時からよくある、ひとつの皿をみんなで囲む文化。ぼくみたいな外様も垣根なく迎え入れてくれる人は少なくない。
ついでに寝る場所の相談をすると彼らの物置小屋の中にテントを張らせてくれることになった。鍵も貸してくれた。昨晩は夜中の3時ごろに雷光が見え始めたので急いで建物の下にテントを運び、直後に滝のような大雨が降ってきた。雨季は油断ならない。この夜も結局明け方4時に大雨が降ってきたので本当にありがたかった。
男たちの中でこの場を仕切っていると思われるウスマンというバリバリの土建屋風味ながら穏やかで親切な空気感の男が、水浴びできるトイレを案内してくれたり、たくさんのマンゴーを取ってきてくれたり、お茶を淹れてくれた。夜10時ごろになってから近くの自分の家での夕食に誘ってくれて、奥さんと四人のお子さんにもご挨拶した。エアコンとか扇風機はなく、窓が少ないので暑い。ウスマンも額に汗を浮かべている。テレビは画質の悪いニュース番組や昔の欧米の映画が流れていた。
道路脇の壊れた車
自転車修理屋
拡張工事中の道路
そのすぐ脇の小屋。ここに今日はテント泊。
座ってのんびり過ごす男たちと一緒に過ごす。
フォレという種の周りの薄い果肉を食べる果物。とにかく酸っぱい。
お茶もご馳走になる。
茶を淹れてくれるウスマン
マンゴーを持ってきてくれたウスマン
8個も。ずっしり。
早速何個かいただく。皮の剥き方を教わる。
ウスマン、とても優しい男だった。
お笑い芸人の有吉さんに似ている人がいたのでつい撮らせてもらってしまった。ちなみに背の高さも似てます。
チューというパーム油と魚の煮物をかけたご飯。
を、お宅でご馳走になった。