HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

歩き出し①(Sukuta→Tujereng)

18km進んだ。移動のほとんどは歩き。平坦な道路と土と木だけのつまらない景色でも歩く歩く。写真なんか撮る気にもならない。でもそれが良い。道ゆく人の顔がゆっくり見える速度。

道端から男性が「おれの家がここにあるが、泊まって行って良いぞ」と声をかけてきた。なんだかぼーっとした雰囲気の男性である。

彼の「家」はマンゴーの木がたくさん生えている、あまり手入れされていない土地の隅に建つ小屋だった。自分が使うはずであろうベッドを使わせてくれようとしたが、中は絶対に暑すぎるので広い野原でテント泊にさせてもらった。

彼の名はマリク。彼の実家は今日まで滞在していたSukutaにあって、この土地は80歳のジャマイカ人の男性から管理人として雇われているとのことだった。そのジャマイカ人の男性にはガンビア人の女性との間に1〜4歳の子供(孫ではない)がいるという。会えそうもないけれどなんだか気になるプロフィールである。

マリクは食べ頃の大きな赤や黄色がかったマンゴーをたくさん譲ってくれた。街中で売りに行ったりもするという。美味かった美味かった。マンゴーにも品種ごとに名前があるらしい。アップルマンゴーとかジュールマンゴーとか、見た目の違いはよくわからなかったけれどそのうち覚えることになるかな。とにかく美味い。飽きるほど食べさせていただけて幸せです。

都会から離れた夜は星が見える、虫の鳴き声に囲まれる、ここでは時々熟れたマンゴーが落ちて枝葉にガサっと当たってボトッと着地する音がする。

家の窓から見送ってくれたシモン。大変お世話になりました!

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都市部のマーケットを転々とし細かな買い物を済ませた。荷物に手を出されないか毎度気を張る。
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海近くに行くと漁師がたくさん。
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なにやらこちらの態度を気にせずガンガン無表情で話してくる兄ちゃんから魚取りツアーに誘われたけれどお値段がかかるそうなのでお断り。

フレイムツリーとよばれる木
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マリクからいただいたマンゴー
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服の洗濯をさせてもらった。
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左がマリク
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「シャワー浴びたきゃどうぞ」と勧められたシャワー場所はこんな感じ。
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こんな感じはもう慣れっこ。桶と水があればシャワーは出来る。

テント泊。奥の小屋の屋根下に自転車。
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・・・

元々自分は自分の求めがわからず、他人のニーズに応えようとする根性が強い。やることなすこと自分で満足出来ず、他人から良しと言われないと良いと思えない。自分のやりたいことを思いついたつもりでもその理由は他人のニーズ由来だったり。「自分がやりたいからやる」ができない。

旅してる中でもこの根性はずっと付き纏う。写真、動画、お役立ち情報、見てくれてる人の何かしら益になるようなことをせねばならん気になってくる。行き先を決めるのでも何をするのでも「見てる人にウケるかな」という勘定が反射的に働く。

他人のニーズを生きることは自分の癖になっているけどストレスの温床です。こんなブログ書いてても反応なんて基本的に皆無で「こんなんで自分は大丈夫か、ダメなんじゃないか」という追い込まれた感覚を覚えます。本当は「ダメ」なんて自分が長い時間をかけて築き上げたルールで決めちゃってるだけで、ダメじゃないと思えばダメじゃなくなる。それだけ単純なのについ癖でそう思ってしまう。朝起きた時とか。

人から見た自分はまあ自由に生きてる人かもしれないけれど、振り返ると当の自分の頭の中がそんなふうに忙しかったので、純粋に楽しめてたのかというと疑問です。案外暗い顔してることの方が多かったと思います。

で、そんな忙しくて自罰プレイに走りがちな頭の中を空白にするつもりで今までよりもずっとまっさらなイメージで歩いた。誰の期待にも応えんで良い。誰もが期待も自分の頭の中で作った幻。もう全然、みんなが喜びそうなびっくり体験も深い学びもさごい景色もなくて良いぞ。だれもが素通りするつまらんものしか出逢えなくても良いぞ。ぼっち上等地味上等、苦役も不幸もどんとこい。歩いてさえいりゃ無問題。他の誰でもない自分の好きを突き詰めよ。