HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

笑顔は大事(Yundum)

街に買い物に出かけて関口さんのお宅へ戻る際は住宅地を2キロほど歩く。住宅地といっても地面は砂地になっていて自転車を手押しで歩くようなローカル感がある。ここはガンビアの中では都会にあたる地域だろうけれど、トタンの屋根とか覆いきれていない塀とかそういう家の様子を見てもやっぱり田舎っぽく感じる。

子供たちが屯してたり走り回ってたりしていて、通りかかると注目を浴びて「トゥバブ(白人)」と呼ばれる。しかし今日はいつにも増してマンゴーを手にしている少年が多い気がする。見上げた気になったマンゴーの多くはもう赤くなっていて食べごろになっているようだった。

長い棒を持ってマンゴーを落としている女性を発見。自分の家の木から熟れたマンゴーを採っているようだ。

通じない日本語で「すごいっすね〜」とか言いながら近づいて様子を眺める。女性は「ユーニードマンゴー?」と一言目から言ってくれて「イエス」と即答した。

ボトっと落ちるマンゴー。良い色だ。

どんどん拾って3つくれた。後からさらに3つくれて6つもいただいた。アフリカの熱帯圏に入ってからマンゴーがこんなにも美味いのかと思い知り、一番のお気に入りフルーツになっているの自分としては嬉しくてしょうがない。

どんどん近所の方々にお裾分けしていく。

木の棒の長さが尋常じゃなく、結構パワーが必要な作業なので息子さんに交代。

関口さんのことはこの辺りの人々はもうみんなご存知なので彼の友人だと自己紹介をする。マンゴーをくれた女性はアワさんと言った。

きっと関口さんのことも踏まえてアワさんは「あなたの国の人の笑顔は素敵で好きだわ」と言ってくれた。

「笑顔は大事。ストレスフル顔をしていたら嫌な気持ちが伝わっちゃう」

ふとした瞬間にハッとさせてくれる人というのがいるものだと思うけど、このアワさんはまさにそうなった。きっとアワさんは彼女にとってなんでもない当たり前の信条をスッと言っただけだと思うけれど、だからこそ尚更ブッ刺さった。

平和ボケみたいな顔をしてる自分だけど、作り笑顔でもない笑顔でいつもいることは難しい。大事だと分かっていても難しい。笑ってることだけが大事なわけでもないとかごちゃごちゃ考えたりもするから難しい。色々スピ的な気づきを積み重ねてやっぱり笑ってることが大事だと理解したつもりでも難しい。

そんな自分にはこうして直接繋がった人からブッ刺さるように言ってもらえることが多分一番必要なのだろうと思う。生活だけでなく、こういった心の習慣もまた何かと他人頼りになっていくスタイルなのかもしれない。

アワさんの写真をお願いして撮らせてもらった。最近やってなかった撮り方。

今日とても印象的な出会いだった。

「自分も木に登って採ってみようかな」とか思って木に近づくと子供たちが木登りしていた。アワさんの言葉がやたら心に残っていたので人が変わったように元気に挨拶した。子供たちの中の年長そうな少年が「ニードマンゴー?」と尋ねてくれた。

どんどんマンゴーの取れそうな木を探る少年たち。

結局3つほどゲットしてくれた。

さらにたまたま目があって挨拶したお兄ちゃんも「ユーニードマンゴー?」と声をかけてくれた家の敷地の木にすぐに登って行ってマンゴーを落として差し出してくれた。

結局自転車のカゴが壊れないか心配になるくらいの量のマンゴーをいただき、関口さんの家に持ち帰り、お隣さんにまでお裾分けまでできた。

味はまちまちだけど総じてどれもイケる。幸せだった。マンゴーを食べながらアワさんの佇まいと言葉をずっと噛み締めていた。

・・・

関口さんの妻ファトゥのご家族のお宅に少しだけお邪魔した。家の庭に一本たったマンゴーの木の下で炊事をしたりされてるそうだ。

お店に買い物に行った時。関口さんのなじみっぷりが今日も印象的。

夕食にパスタを作ってくれているファトゥ。

パスタもパンと一緒に食べる自分好みのスタイルがこっちでは当たり前です。

明日に出発する予定だったけれど、また撮影が入り、もう少しだけ都市部に留まることに。