旅程を決めなければならない。
スロベニア(シェンゲン圏)に入る時、自分はアフリカに行きたくてしょうがないから、このままスペインまで走り抜き、ジブラルタル海峡をフェリーで渡ってモロッコに入国するイメージを持っていた。
しかし、現状モロッコへの入国にはワクチン接種が必須になっているとどのサイトを調べても、ツイッターサーフィンをしても書いてある。
ぼくはワクチン接種は自分の直感の下、できるだけ打たない方針なのでこの規制が敷かれている限りモロッコ入国は控え、規制の緩和を待つ。
となれば違う非シェンゲン国への移動を模索しなければならない。
ぼくはそもそも自分の足で移動するというのが旅のモチベーションの中心なので、まず飛行機の使用はできるだけ避ける。それはなんらかの急用ができたり、どうにも立ち行かなくなった時の最終手段。
その条件で現状、考えられるのはイギリス、もしくはチュニジア。
イギリスはフランスの北部からフェリー、チュニジアはイタリアの南部からフェリー。
全く様相の違う二国、国そのものへの興味で言えばどちらも知らないのでどっちも行ってみたいという感じ。
現在地からだと全く反対方向の二国。シェンゲン圏の滞在可能期間はもう40日間程度、これは自分の移動速度を考えると油断できない日数。
どちらに進路を取るか、動き出す前に時間をかけてでも決めておかなければならない。
インターネットと電源のつながるカフェを探すこと5件目(グリーンパスほんとグリーンパス)で席に座って、マルコ達に渡す写真の編集も含めて6時間くらいパソコンと睨めっこ滞在した。
それぞれの国の入国規制を調べる。
チュニジア:ワクチン接種無しだと5日間のホテル隔離が必要になる。不可能ではないけれどお金がかかるのが嫌だなあ。
イギリス:最近ニュースでジョンソン首相のコロナ規制撤廃宣言が大きく話題になった通り、一切の規制なし。
この、規制なしの魅力といったら半端じゃない。燦然と輝いている。
2020年からずーーーーーっとコロナコロナコロナコロナ。入国規制の有無によって進路を自由に選べない。毎度5000円近いお金を払って検査を受けなければならない。ワクチンが登場し社会へのアクセスの選別が始まる。
ワクチン接種を避けている自分はこの時流を眺めながらこのままワクチン接種ありきの世界になって全く動けなくなってしまうのか、せっかく旅をし始めたというのにこんなことで打ち止めになってしまうのか、と暗く重い見通しにじわじわ心を消耗させていた。
そこにこのジョンソンですよ。これを起点に規制撤廃の流れがじわじわ広がるかもしれない。長い冬が終わるような予感。アフリカアフリカ言ってきたけれど、この状況下、むしろイギリスに行きたくなった。アフリカ圏であるチュニジアは魅力的だし、イギリスという場所に特別な興味もないのだけど、コロナ規制のない世界の空気を吸いたい。その思いどんどん膨らんできた。
というわけで、進路をイギリスと肚に決めて旅を続けることに決定。
フランスに向けて西へと移動開始。
もう陽が沈んでいく時間の中、ラ・スペツィアという港の都市で寝場所探索し、地元の人に教えていただいた大きな公園にテントを貼った。都市の中にも野宿しやすい場所は結構あるもんだなあ。
・・・
快晴
カフェのトイレ。釣り人の多い地域だからね。
ラ・スペツィアは産業区域なんだね。
自分で買った晩御飯
寝場所を尋ねたバーでいただいたクロワッサン