HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

ラブリオのケーキ屋スタブロスさん

ギリシャについてから最初にお世話になったギリシャ人のスタブロスさん。「スタブロス」という言葉はギリシャ語で「十字架」という意味があるそうだ。ギリシャの旅の初日に出会った。写真の右の方がスタブロスさん。

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彼を最初に発見したのは、初めての地中海の海を眺めている時だった。

彼はその海で海水浴をしていた。彼の姿を見て自分も海に入ろうとしたら「ここから10キロほど離れた海の方が綺麗だよ」と教えてくれた。

それがきっかけで少し自分の話をすると「とりあえずこっちおいで」という感じでバイクで前を先導して街に入っていった。ラブリオという街だった。道ゆく人と笑顔で挨拶を交わしながら自転車の速度に合わせてゆっくり進む彼についていった。

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連れてもらったのは彼の営むケーキ屋さんだった。

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きっとオーダーメイドだろう。創作ケーキ屋さんのようだった。

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すごいですねー!と感心していると、

お店のケースからお菓子を箱につめていただいた。

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お礼を伝えてそこからいったんは離れて先に進んだ。

が、夜になって寝場所が定まらず、

まだギリシャの初日で不安を抱えていた自分は

再び彼のケーキ屋さんに戻ってどこかに寝場所はないかと相談しに行った。

すると彼はすぐにぼくを近くのホテルに連れて行ってくれた。

ホテルの従業員と楽しそうに会話しながらぼくの代わりに1人用の部屋の宿泊代を支払ってくれた。

「申し訳ない」という気持ちと「ありがとう」という気持ちが溢れまくってフラフラしながら部屋の鍵を受け取った。

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それから「一緒にディナーを食べよう」と提案してくれて、レストランへ。海に近いレストランだった。

そこでギリシャスタイルの伝統料理を御馳走してくれた。

ギリシャの食文化を紹介してくれながら一緒に楽しんだ。控えめに言っても贅沢すぎるディナーだった。名前も紹介してくれたのだけどそれは覚えられなかった。。

ギリシャのサラダ、下にたまったオリーブオイルとビネガーと野菜のエキスの混ざったたれにパンをつけて食べるのがまた美味しい。

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ウーゾというめちゃくちゃきついお酒。タコをおつまみにして楽しむ。

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翌日お店に行くといろいろとこの街の見所や

街の近くの観光地を紹介してくれた。

お店の屋上から街の景色を見せてもらったり

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昔からある古いマーケットだよと紹介してもらったり。

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この漁場も古いところなんだよと紹介してもらった。

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"この方はHoly man"だよと紹介してくれて、手の甲にキスをするという敬意を込めた挨拶の仕方を教えてくれた。

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地元の人じゃないと入れない場所に入るためにお店が営業中なのにもかかわらずバイクで駆けつけてくれたりもした。

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案内をしてくれたのは古い工場。ミネラルを汲み上げる場所だと言っていた。スタブロスさんのバイクの後ろに乗りながら駆け足で見学した。

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夕方近くなってきたころ

今度は近くのビーチでキャンプでもしようかと考えていたぼくに

「やめときなさい」ともう一泊ホテルを予約してくれた。

その晩、また御馳走してもらった。

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ワインを飲むときはよく「ビューティフル」と表現するスタブロスさん。

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これもまたとても美味しい。

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このお店のオリーブオイルとポテトはオーナーの畑からとってきていてとてもこだわりがあるとのことで、食べてみると確かに!

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この魚は血の巡りに良いと紹介してくれた。

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自分はひたすら美味しい美味しい良いながら食べてるだけで、スタブロスさんはずっとニコニコそれを眺めながら、いろいろ食べ物のことを教えてくれた。ここでは書かないでおくけれど、彼の身の上話もいろいろ聞かせてもらった。

スタブロスさんはアメリカを昔旅したことがあって、やっぱりその時いろいろ人にお世話になったことがあるようだった。やっぱり似ている人と引き合うようにできているように思った。

その時の若かりしスタブロスさんを助けたであろう方々、あなたたちの優しさは今ぼくに届いています。

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翌朝お店に挨拶にいけばコーヒーとパイを出前で注文してくれる。「このパイはテッサロニキ発祥なんだよ」と教えてくれた。

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ニコニコしながら取り出した箱の中からいくつか贈り物もくれた。綺麗な石でできた首飾り。

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「このマンダラは

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こんな風に昔の神様が手をつないでいる様子が元なんだよ」と教えてくれた。強い繋がりを表しているみたい。なんて心強い紋章なんだ。

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最後にスタブロスさんから頼まれごとを引き受けた。

彼のお店のシールが貼ってある買い物袋。

これを日本の景色の中で写した写真を彼に送ること。

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(↑はブルガリア世界遺産、リラ修道院にて)

スタブロスさんは特に富士山が御所望だった。

撮った写真はお店の壁に並んでいる世界各国の写真たちに仲間入りさせてくれるみたいだ。いつなるかわからないけれど、とびきり良い写真を送りたいな。最後の最後までニコニコした表情で送り出してくれた。

ハグは力強かった。手の甲にキスもしてくれた。

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彼の周りには本当に友達がたくさんいた。

10メートル歩く毎に誰かと親しげに挨拶を交わしていた。

とにかくいつもニコニコしていた。

「でっかい愛」みたいな人だった。自分の中で「愛」という言葉はあんまり易々使えないイメージがあるけれど、この人にはもう堂々とすんなり使って良い感じがする。

誰に対しても笑顔で力強く抱擁をしているようなイメージの人。

忘れられない存在になった。

  

そんなスタブロスさんとは後々もう一度会うことに↓

 

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