山間部を抜けた。1週間以上降り続いた雨も上がった。
が、体調が優れなかった。食べ過ぎのせいで。
昨日のカレーにオリーブオイルを使いすぎてすごく体に響いていた。気持ち悪い。気分が優れない。人と挨拶するのもすごく億劫に感じる。羊とか牛とか見ても写真を撮る気にならない。こうなる前から気分が良いわけじゃないのに、余計に気分が悪くなっていた。多分やさぐれるってこんな感じだと思った。
無理をしない。何回も途中で立ち止まって、伸びをして、深呼吸した。日の入りを眺めながらパンにギリシャで頂いたジャムを塗って食べたりした。
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歩く、歩くとかずっと言ってきてるけど、実際の自分は歩くことに集中なんかろくにできていないことが多い気がしてる。
頭の中がどこかに行っちゃってることが多い。しょっちゅう昔のことを思い出してはその時の誰かにむかついたり、自分自身にダメ出ししたりしている。これが本当に良くないと思っている。よくそういう状態になっちゃうから歩いてる、かもしれない。
今日はやさぐれのせいで、輪をかけてその辺りがダメだった。分かってはいるけどやっちゃう癖。まあダメな時はダメ、最低限、歩けてよかったなと思っておく。
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この日の宿は新しくできた友人に助けてもらった。
日が暮れたころにキャンプ場らしき看板が立っているので入ってみた。そこで出会った兄ちゃんが気さくで「今はシーズンじゃないからここで無料でキャンプしても良いけど、街に一緒にくれば部屋を用意するよ」と提案してくれた。
車に載せてくれて来た道を戻る。グラムシのという町。
そこの彼の空き家で泊まらせてくれることになった。
兄ちゃんの名前はディシ。
彼はキャンプ場とグラムシの街中のカフェも経営していて、空き家にいく前にビールや夕食をご馳走してくれた。明日がぼくの誕生日だと知るともっとビールを持ってきてくれた。彼のカフェにて、奥さんのジュリアナと。
ディシはカタコトの英語だけどEUの様々な国に住んでいたことがある。外国人とのコミュニケーションに慣れていて、言葉は上手くなくてもコミュニケーションは難なくとれた。
アルバニアは所得が圧倒的に低く、より良い稼ぎを求めてEU圏に移り住む人がとても多い。そのまま移り住む人もいるし、ある程度安定してから故郷に帰ってくる人もいる。とにかくみんな口を揃えて「ガバメント、エコノミー、プロブレム」という認識だ。それでも人々はとても親切だ。
ディシはよくキャンプ場に訪れた外国人をこうして自分のカフェに招いて、グラムシの街を案内したりしているそうだ。「まずは名前を売っていく。お金は名前についてくる」
ディシはそのためにSNSを積極的に活用していて、積極的に発信してこれからビジネスを広げることに力を注いでいた。ぼくの撮った店の写真も投稿に使った。一人一人の努力が社会を発展させていくこと実感しながら眺めていた。
店に訪れるいろんな友達と挨拶
四歳の息子がいる。一緒にボールを投げて遊んだ。
その後は彼の空き部屋へ。泊まらせてもらった部屋でシャワーも浴びることが出来てしばらくぶりにリフレッシュできた。
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〜写真〜
モグリサの村の風景を泊まらせていただいた2階の窓から
山道
所々滝が流れている
山間部を抜けてきたところ
グラムシの街を一人で通り過ぎた時の写真
ディシと出会ったキャンプ場。ちょっと遠景すぎた
キャンプ場から見送れる夕日。
カフェ
自転車はキャンプ場に置いて必要な荷物だけ持って車でちょっと戻って来た感じ。