連日寒い日が続く。
1日かけて手紙を書いた。
この家は、旅をはじめて以来、最高にお世話になった場所だった。自分を家族の一員だと思ってくれて、本当にリラックスして過ごさせてくれた。旅を応援してもらった。あまりに力をもらいすぎて、ありがとうを通り越して申し訳ないとすら思う。
こういう時に稼げていない現状を苦しく感じる。詳しい説明はここでは端折るけど、このバルカン半島の国々の経済水準は日本と比べると圧倒的に困窮している。今まで会ってきた本当に優しい人たちが貧しい暮らしをしているのを見てきた。自分は日本で暮らす人からお金をもらって旅するチャンスがあるわけで、ぼくがうまいことやってお金を稼ぐことができればお礼にお金を払うことができる。お金は基本持ってる人が持ってない人に流せばいいと思っているので、自分が稼げていれば自分で理想の一端を体現することになって最高だなあと思う。
でも今の自分はまだそういう状態になれていない。
そんな中で返せるものといえば自分の撮った写真で感謝の言葉を書いて渡すことくらいしかない。というわけで、この日は手紙を書くことに。
が、一日中悩んで筆が進まなかった。受け取ったものが多すぎて、大きすぎて、なんと言ったらいいか分からない。本当に困った。自分は何か本気で感謝の気持ちを伝えるべき時にはいつもこうなる。
でも時間は待ってくれない。決めなければならない。
深夜を回ってからパソコンの下書きを元にGoogle翻訳に表示されたギリシャ語を手紙に書き写していった。アントニスとエヴァとマリアさんの三人分。内容は翻訳がおかしなことにならないように単調な言葉にした。
・
こうしていつもたいして気の利かない贈り物を送る、もしくは何もしない、ということをこれまで出会った沢山の人にしてきた。
自分のこういうダメだなあ〜と思うところを、ダメだなあ〜と思わなくても済む状態に着地させたいのだけど、とりあえず今それについて考えるほどどんどん苦しくなるので、ひとまずは自分が元気に旅を続けることを恩返しとしよう、という感じに開き直ることにしている。そしていずれ然るべき時に解決しているだろうと思う。
・
自分の撮ったビデオをまたみんなで見てくれた。
家族写真の前にマリア様
今はすっかり寒くなったけど夏場はずっと座ってたテラス
お昼ご飯
記念写真を撮らせてもらった。本当に、ここにふらりと訪れたことは自分の旅ならではの「成果」と言っていいと思う。
明日ご一緒するジョージさんと甥っ子のウィリアムがお茶しにきた。
最後の晩御飯、お腹は減ってないけど、いっぱい食べた。