HIRO EATS THE EARTH

地球まるごといただきます

心に残った表情(アンタルヤAntalya〜バデマースBademağacı)

昨日、どこかで横転させた際に壊れた後輪を直してもらうためファティフに行きつけのショップに連れて行ってもらった。10:30ごろに持っていったけれど、修理に手間がかかるらしく17:30ごろまで待つことになった。その間はファティフの家でゆっくりブログを書いたり料理しているところを見せてもらった。彼らはとても丁重におもてなしをしてくれて、交わす言葉がすくなくてもとてもホスピタリティ溢れるマインドが伝わってきた。おかげさまで良い時間を過ごすことができた。

自転車を引き取ってからはこのアンタルヤ付近に住むアリフさん(フェティさんの友人)の家に移動。その距離50kmほど。ここを自転車で向かうつもりだったけれど、アリフさんはかなりの世話好きな性格のようで、別の友人を車で遣わせてきて自転車と荷物を載せてくれることになった。

アリフさんは「トルコスカイダイビング最速の男」で溌剌としたスポーツマン。パラグライダーのインストラクターもしているそうで、なんと、ぼくをこれから数日間のうちに空に連れ出してくれるそうだ。この辺りの遺跡を案内してくれたり人と会わせてくれたりお楽しみもいろいろ考えてくれているらしい。実際どうなるのかは分からないけれどとにかく心強い味方と良い出会いができてとても嬉しかった。何日か滞在することになりそうです。

すごいなぁ。一寸先にどんな出会いがあるかわからない。毎瞬に可能性が隠れている。自転車で長距離を走るというちょっと珍しい類の苦労を引き受けている分、良い出会いが生まれているような感じがする。まだまだこの先もすごいことが待っていそうだ。

〜〜〜

40kmほど車で送ってもらった。

奥さんのユルデュスが用意してくれた朝食。トルコの朝食の基本形に加えて所々質の良い素材を使ってくれている。

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この粉はザフテル(zahter)といってガズィアンテプというトルコ東部の地域のものだそうだ。

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ガズィアンテプは旦那さんのファティフの出身で実家から送ってもらえるらしい。ちなみにファティフ曰くガズィアンテプは食べ物が最強(特に肉類)らしい。

ザフテルはさらさらしてるので、パンを右のオリーブオイルに漬けてからザフテルをまぶすようにつけて食べる。

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これが美味い!!!!スパイスをいろいろいい感じにミックスさせて塩味を足した感じ。

こちらのパンはシュミット。そのままでも美味しいし。このユルデュスお手製のバターを乗せるともうたまらなく美味い。

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朝食で満腹になって自転車屋に自転車を預け、帰ってからは作業作業。

15時くらいからランチにキリスタバ(Kilis tava)という、彼らの一番好きなトルコ料理を用意してくれた。これはまたとない好機。作っているところを密着させてもらうことに。

野菜はこんな感じのものを使う。スパイスは胡椒と唐辛子と塩。

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ししとうを細かく刻む。

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玉ねぎも刻む。汁が跳ねる。痛いよね。。

この刻みの細かさが重要だそうです。美味しいものには手間がかかってるなあ。

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f:id:tajimax-tj:20210114004621j:plain 玉ねぎと赤青のししとうを細かく刻んだものを挽肉と混ぜる。こねる。途中スパイスをかけてさらに混ぜる、こねる。

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混ぜてこねた後にさらに刻む。

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ボウルにはまずナスを薄切りにして並べる。塩胡椒をまぶす。これが一層目。

続いてその上にこのこねたひき肉を敷き詰める。これが二層目。

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三層目に刻んだトマトや玉ねぎや青ししとうを良い感じにデコレーション。

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ちなみに↑は「キリスタパを持ったモナリザ」というテーマです。ファティフ発案。

220°で60分オーブンにかける。途中肉汁が浮かんでくるのでそれを上の野菜にかけたりしてまたオーブンに入れる。

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出来上がり。においでお腹が減ります。

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付け合わせには玉ねぎにスマック(sumak)というスパイスをかけたもの。ゆかりご飯のゆかりにちょっと似ている味わい。酸っぱさが良いです😊

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これは人参を発酵させたジュース。酸っぱい。きっと体に良いんだ。

奥のヨーグルトを水で割ったアイランはやはりヨーグルトがユルデュスの手作り。ここまでで市販のアイランを何度か飲んだことはあるけれどユルデュスのアイランは一段優しい味がする。棘がない。ユルデュスは何を作ってもすごい。

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完成ー!

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う、う、う、美味いーーーーーーーーーー!!!!!!!

味そのものはシンプルなハンバーグというところかな。肉質が重厚で野菜が良い感じに絡んできて独特、ここにバターライスが絡んできて、これがトルコです!って感じ。良いもの食べさせてもらいました😆

たくさんの美味しいものを作ってくれるユルデュスと結婚できて「ぼくは幸せ者だよ」とファティフがつぶやいていた。ほんとそうだな。

 ファティフの仕事は映像クリエイター。彼の作品まとめはこちら。そしてインスタグラムにもまた良い写真が並んでいる。以前フォトグラファーをやっていたそうだ。

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デザートまで用意してくれた。マラシュ(Maraş)という地域のアイスクリームとバクラマ。アイスクリームは歯応えがバツグンだった。甘さもナチュラルでとても優しいお味😊

バクラマは中身がピスタチオでパイ生地も質が素晴らしい。この家の近くのガズィアンテプ出身シェフのお店のものだそうだ。わざわざ買ってきてくれたんだ。ありがたい。

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ありがたい出会いだなあ。

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夕方、自転車を引き取りに行く。

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見せてもらっただけではわからないのだけど後輪のシャフトのパーツが折れてしまったらしい。

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新品と比べたもの。

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なんにせよ、根本的な部分が壊れてしまったのなら交換してもらえてよかった。お値段50TL(720円くらい)。たぶん安い方だと思う。ファティフに紹介してもらえたおかげかもしれない。

夜になってアリフさんのお友達がお迎えが来た。アリさんという人。トルコ語しか話せないのでファティフが間に入ってやりとりを助けてくれた。

自転車を車の屋根上に。荷物は後部座席に。

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これにてファティフとユルデュスとはお別れ。すごくホスピタリティな心意気が伝わってくる人たちだった。初めてホストしたと言っていたけれど、もう充分すぎるほどお構いいただいた。そしてぼくはなんだか妙にファティフの優しい微笑みが印象に残っている。純粋な彼らの人柄から溢れてくるもので接してくれていた気がする。そういう心意気がいちばん心に残っている。

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〜〜〜

夜道を走る。アリさんは英語が話せないが、途中で車を止めてトルコの国民的ヒーロー、アタトゥルクの石像を嬉しそうに紹介してくれた。とりあえず撮る。

アリフさんの家に到着。メッセージでやりとりを交わしていた。

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アリフさんの家に到着。静かな村だ。

アリフさんはとても陽気に迎え入れてくれた。

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アリフさんはパラグライダーのインストラクターをしている。部屋に入ると彼と体験者が一緒に飛んでる映像が流れていた。すごい、、、ほんとうに飛んでいる。これはワクワクする!

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「ここで会ったからには必ず君を空に連れて行くぜ!」とのっけから最高なことを言ってくれるアリフさん。古い日本人の精神性がお好きなようで、切腹や神風特攻隊のような「お国のために死ねる」忠の美しさがお気に入りのようだった。日本の素敵なパラグライダー仲間の友人もいるようで、この自分もとても歓迎してもらえた。自分はそんな日本人っぽい素晴らしさとはずいぶんかけ離れてる気がするのでなんだか申し訳ない気がするけれど、日本人が紡いできたいろんなものにまた助けられている。

今後の旅程についてもこれから相談に乗ってくれるそうだ、ジョージアまでの1500kmくらいの道のり、その中でのパーフェクトな道があるそうだ。そして彼は道中で沢山の友人がいるらしい。すごい。ジョージアの国境がこのパンデミックの影響で通れないのではないかと懸念していることを話すと「もし閉まっていたらオレが開けさせてやるよ」と自信満々だった。すごい。

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ワインを振る舞ってくれた。この村のローカルなものだそうで、3.5TL(50円くらい)。すげえ。。そして美味しい。。!!

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食事を用意してくれるアリフさん。

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野菜とサバをご馳走になった。サバ久しぶりだなぁー!美味しい😊

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アリフさんはトルコの英雄アタトゥルクの血縁だという。アタトゥルクのお母さんのお兄さんの娘がアリフさんの曾々祖母にあたる。なかなか近い親戚な気がする。たしかになんか大物感がある。これはまたすごい人と出会ってしまったかもしれない。パラグライディング以外にもこの辺りの村や遺跡など見せたいものがいろいろあるそうだ。しばらく彼の元でお世話になることになりそう。楽しみだ😃